人は生きたように死ぬ

オレの死んだ親父は、会社を幾つも立ち上げて、結婚離婚を五回繰り返し、毎日浴びるように酒を飲み、朝から焼き肉を食べるような放蕩三昧だった。糖尿、通風、透析で入退院を繰り返し、70を越えて周りに誰も居なくなり、独りぼっちの老後だった。

俺と姉貴は放って置く気満々だったが、義兄が「親なんだから面倒みといてやれ」と言うので仕方なく面倒をみた。

72で極端に衰え、73になる手前で死んだ。その晩、親父と同年齢の世話になった民生委員・大川さんに親父が死んだ旨を電話で報告。
大川さん「お父さん、最後はあんた達姉弟に面倒みてもらって良かったじゃない?」
オレ「う〜ん…そう?」
大川さん「お父さん、あのままじゃ孤独死だったもの」
オレ「そうですね…」
大川さん「ただね一也くん、これだけは覚えておきなさい」
オレ「?」
大川さん「人は生きたように死ぬ」

それから間もなくの事である。オレの酒量がぐんと減り少しマトモに生きようと覚悟を決めたのは。

猿田彦一也/神事大全

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